2010年12月6日月曜日

いただきもの

家を探して20年以上、ずっと私たちの憧れる家を探し続け、見つからない間は古い家を借りて古い家を充分楽しませていただいてきました。たくさんのいいお家に住まわせていただき、本当にいい体験でした。

そしてやっと、念願の家が見つかりました。私たちの欲しかったのは、木の窓が残っている昭和の家。

なぜ今まで見つからなかったのか。
年月の経った家は家の価値がなくなり、価格が付きません。古いお家で残っているのはたいがいお屋敷、広い土地の手をかけて建てた家が生き残るわけです。
広い土地は高いので、そのままの家を使いたいと言っても私たちが買える金額にはなりません。
この度私たちの見つけた家も、土地として出ていました。無理を言って家を見せていただけることになり、一目で気に入ったわけです。
雨漏り、シロアリは覚悟の上でした。更地にして販売だったものを建物も使わせていただくことに。だからいただきものです。大切に使わなければ。



この鍵も以前からあったもの。築42年の家の鍵。
角が取れて優しい手触り。主人はここにもグリスをたくさん塗り込んだ。

主人はリフォーム業者さんと混じって日曜大工ではなく毎日大工をして、ニスを塗ったり、パテで埋めたり、知合いのペンキ屋さんに安くやっていただいたりと、楽しい作業もかさねるうちにこれでもかという感じになり、もめることもしばしば。それでも今まで動かなかった戸が動いたり、すきま風がおさまったり。

初めのうちは朝、窓を開けるとき、夢の中のような感覚でした。
クルクルと鍵をまわし、ガラガラガラとレールの上を走る重たいガラスのはまった木の窓が開く。
どこかの家に遊びにきているような、なつかしいような新しいような日常。

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